創業は昭和47年。
初代から二代目、二代目から三代目へ代替わりすると同時に内装をリニューアルし、見た目も鮮やかな多彩なメニューが話題となり、昨今ではメディアでも度々取り上げられている深大寺界隈でも人気の蕎麦屋だ。
現三代目ご主人はそれまで全くの異業種に従事、店を継いだ当初は飲食店経営のノウハウも何もない状態からのスタートでそれは大変だったそう。
「祖父母の代から続いてきた"きよし"を守りたい」
その一心で経営の勉強や二代目の頃から板場を任せている板長指導のもと蕎麦打ちの修行にも励み、
6年目となる今やっと一人でも店を回せるようになってきたところだとご主人は話してくれた。
現在のメニューは先代の時代に板長が考案したもの。
北海道は深川市から仕入れている蕎麦の一番粉を用いて、
食感とのどごしを重視した細目の蕎麦。
5日かけて仕込む蕎麦つゆ。
看板メニューのひとつ「にしんそば」の鰊は、8時間以上煮込む必要があり提供できるようになるまで一日以上かかるそう。
もう一品の看板メニューは「鴨せいろ」。
鴨せいろと言えば、
つけつゆに鴨肉などの具が入っているものが一般的だが、
きよしの鴨せいろは、具は別盛りで提供される。
これがまた、箸をつけるのを躊躇するほど盛り付けが美しい。
そして鴨肉は噛めば噛むほど深い味わいを楽しめる。
のどごしの良い軽やかな蕎麦との相性も抜群。
目で見て楽しみ、味わいも楽しむ。
食を追及するこだわりの真髄を感じさせる逸品だ。
蕎麦屋に行ったら天ぷら食べなきゃ!
という方も多いだろう。
きよしでも、二大看板に次ぐ人気メニューが
天盛り蕎麦だ。
サクサクとした軽い衣と、定番の海老や野菜などの旬の素材が口の中で最高のハーモニーを奏でてくれる。
ちなみに写真は「穴子の天ぷら蕎麦」。
「きよしのほろ酔いセット」
その名の通り、お酒一品と蕎麦・小鉢数品をお得にいただくことのできるセットだ。
この小鉢もほとんどが手作りで、季節ごとに内容を変えているのだとか。
お酒の種類もゆくゆくは蕎麦に合うものを厳選して増やしていく予定だそう。
一見物静かで控えめそうな印象を受ける三代目主人だが、穏やかな語り口調で紡がれる店に対する想いは非常にアグレッシブ。
「きよしの蕎麦を食べるために深大寺に来てくれるお客さんをもっと増やしたい。そのために日々試行錯誤しています。」
そう真っすぐな瞳で話すご主人を、素直に応援したいと思った。